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チ。は意味不明で難しいから面白くない?

漫画アニメ作品「チ。地球の運動について」では、15世紀における天動説が一般的な考え方として支配的であった時代背景の中、「地動説が真実ではないか」と疑問を投げかける登場人物を通じて物語が展開します。

歴史的背景がある物語だけに、「理解しづらい」「面白みに欠ける」と感じる声も存在しています。

今回は、本作がなぜ理解しにくく感じられるのかを解説します。

 

 

目次

難しい理由:学術的テーマの取り扱い

「チ。」という作品に対して、一部の読者は理解に苦しむことがあります。

これは、作品中で展開される歴史的・学術的なテーマが高度であるためです。

主人公ラファウは、ただの12歳の少年ではなく、大学進学を決意した天才少年であり、研究者フベルトと地動説について議論を交わすシーンがあります。

 

物語の主要キャラクター、ラファウの挑戦

物語の序章から、ラファウはその卓越した知性で読者を圧倒します。

孤児としての厳しい背景を持ちながらも、彼の言葉や行動はしばしば大人たちをも超える洞察を見せています。

彼の使用する高度な語彙や、その独特な視点は、多くの場面で彼の異端的な存在を際立たせています。

 

天動説と地動説の対立

物語では、天動説と地動説という、15世紀の学術論争が重要なテーマとして描かれます。

現代の我々にとっては地動説は常識ですが、物語はこの古典的な議論を通じて、登場人物たちの探求心や個性を浮かび上がらせています。

 

作品の普遍的テーマ

「チ。」は、ただのエンターテイメントとして消費するには複雑すぎるかもしれません。しかし、その学術的な背景や歴史的な深みが、物語に豊かな層を加えています。

これは、ただの物語ではなく、視聴者に深い思考を促す作品です。

 

作品の根底に流れるのは、人間の探究心と、次世代への知識の継承です。

ラファウのようなキャラクターが展開する議論や対話は、物語をただの冒険話以上のものにしています。

究極的には、この作品は人間の可能性と成長を讃えるものです。

 

難しい理由:歴史的解釈の齟齬と炎上

「チ。」を語る上で、最も難しく、そして大きな批判ポイントになりうる理由ですが、作中で描かれる異端への迫害が史実と合致しないという点です。

特に、地動説の提唱者が肉体的な拷問を受けるシーンは、現在の歴史解釈とは明らかに異なると指摘されます。

これにより、歴史を正確に知る読者からは作品が「嘘」であるとの指摘が炎上の原因となっています。

 

作中の拷問シーンと歴史的事実の食い違い

作中で異端審問官ノヴァクによるオグジーの拷問シーンは、地動説に関連した実際の歴史的事件とは異なります。多くの学生が学校で習う歴史の知識とはかけ離れた描写が、読者に違和感を与えることがあります。

しかし、物語進行中に登場するキャラクターのセリフからは、この歴史的不正確さも物語の一環として意図的に描かれていることが窺えます。

これは、物語を通じて読者に考えさせ、歴史的な事実とフィクションの違いを認識させるための一つの方法かもしれません。

 

史実と創作のバランス

「チ。」が史実と異なる描写を行うことによって、一部の読者は作品を批判する一方で、これを歴史教育の機会と捉える読者もいます。

物語内での歴史的不一致は、議論を呼び、読者の歴史理解を深める契機となることも。

歴史的事実と創作の間にはしばしば線が引かれますが、「チ。」ではその境界を意図的に曖昧にしているようです。

作品に登場する史実と異なる要素は、読者に対する挑戦とも取れます。

フィクションの自由と歴史的責任の間で、作者はどのようにバランスを取るべきか、読者に考える機会を提供しています。

 

 

 

 

面白くない理由:ビジュアルに対する抵抗感

多くのファンが「チ。」のビジュアルスタイルに苦手意識を持っているという声があります。具体的には、「絵が下手で読む気になれない」との評価が目立ちます。

確かに、漫画のビジュアルは作品の受け入れやすさに大きく影響を与える要素の一つです。

 

絵柄の個性と受容

漫画「チ。」の作者、魚豊に対する評価は分かれるところですが、漫画の外見だけで判断するのはもったいないことかもしれません。

実際、他の作品でも初期の頃は評判が芳しくないものの、内容の魅力に引き込まれる読者は多いです。

 

絵柄への慣れと作品の評価

「チ。」のビジュアルが一見シンプルであることは事実ですが、その絵からはキャラクターの行動や感情がしっかりと伝わってきます。

また、明らかな表現ミスがない限り、絵のうまい下手はあくまで主観的な評価に過ぎません。

物語に少しでも興味があれば、絵柄に慣れることで新たな魅力が見えてくるはずです。

 

作品を楽しむためのアプローチ

漫画の絵柄に対する初期の抵抗感は、時間とともに変わることがあります。

たとえば私自身、過去に「ジョジョの奇妙な冒険」の絵柄に馴染めず敬遠していましたが、内容の面白さには抗えませんでした。

同様に、「チ。」もページをめくる勇気を持ってほしいと思います。きっと作品の深い味わいに気づかされるでしょう。

 

 

面白くない理由:第3章以降がつまらない

一部の読者からは、「チ。」の第三章がつまらないという意見が見られます。

これは比較的少数派の意見ですが、第三章のドゥラカを主人公とするストーリー展開やその意外性には実は多くの魅力があると考えられます。

 

第三章の革新的なストーリーライン

第三章では、従来のC教や神への信仰から離れ、資本主義的な観点から「地動説」を利用するキャラクター、ドゥラカが登場します。この章で展開される「異端解放戦線」との対立や化学反応は、新しいテンションと興奮を物語にもたらしました。

 

物語のクライマックスと展開

多くの批判が集まる一方で、第三章は「どんでん返し」や物語の重要な転換点を含んでいます。主要なアイテムが失われたり、物語が予想外の方向へ進むことにより、「行き詰まり」と感じる読者もいるかもしれません。

 

「チ。」第三章は希望と終焉の象徴

第三章の評価は分かれるところですが、その中には強烈な人間ドラマとキャラクターの成長が描かれています。キャラクターたちの生き方、死に方、そして何をどう託すかがこの章のテーマです。

最終的に、第三章は「チ。」の物語全体を集大成するとともに、新たな希望を提示する章とも言えます。

物語の終わりに向けて、各キャラクターが何かを託す行為は、次の展開への架け橋となっており、鳩が持つバトンが未来への希望を象徴しています。

 

意味不明な展開:ラファウの死

「チ。」の物語は、多くの読者にとって予想外の展開を迎えます。

特に、物語の顔とも言えるラファウの死は、多くのファンにとって大きな衝撃でした。

彼が主人公であり続けると考えていたファンからは、彼の死後に物語を離れた人も少なくありません。

 

初期の予想を裏切る展開

ラファウは地動説を証明するための旅を進めるキャラクターとして描かれていましたが、彼の早すぎる死により、物語は突如として新たな方向へと進みます。

「彼はまだ生きているに違いない」と願うファンの声も多く、彼の死がブラフであるとする説も存在します。

 

キャラクターの死が物語にもたらす影響

ラファウの死後、物語は10年後へと跳ぶという大胆な展開を迎えます。

新しい主人公たちは初めは受け入れがたいものでしたが、彼らもまた異なる魅力を持つキャラクターです。物語はラファウが築き上げたものをどのように引き継ぐか、その過程を丁寧に描き出しています。

 

物語の深化とキャラクターの発展

物語が進むにつれて、新たな主人公たちの魅力が徐々に明らかになります。

ラファウの死は一見すると物語の終わりのように感じられるかもしれませんが、実際には新しい始まりであり、彼の遺志を継ぐ者たちの物語が展開されていきます。

物語はさらにEX章へと進展し、予想もつかない展開が待ち受けています。

ラファウの死を乗り越え、新たなキャラクターたちがどのように物語を引き継ぐのか、その成長と挑戦に是非注目していただきたいです。

 

 

意味不明な理由:「チ。」最終章の終わり方

原作漫画「チ。」の物語の終結における反響は大きく、特にEX章(最終話付近)に対する評価は分かれます。

物語が進行する中で、託されたはずのアイテムが失われるなど、予想外の展開が多く見られました。

特に、3章の結末とそれに続くEX章では、多くの読者が「いきどまり」感を感じたと言われています。

 

最終章のパラレルワールドとしての解釈

EX章では、これまでの章とは異なるストーリー展開がなされ、実在の地名が具体的に登場するなど、新たな世界観が提示されています。このような差異は、EX章がパラレルワールドを描いているとの解釈を導くこともあります。

この章は、物語の終わり方に「?をもたらすオチ」として機能しています。

 

物語終結に対する読者の多様な意見

「チ。」の終わり方には賛否両論あり、読者によって様々な解釈が生まれています。物語が提供する結末に納得がいかないと感じる読者もいれば、それを物語の深さとして受け入れる読者もいます。

 

異なる意見を受け入れることの重要性

物語の終わり方に対する意見は、読者自身の考えに基づくものであり、それぞれの解釈が尊重されるべきです。「チ。」という作品は、読者に自らの意見を深めて考えることを促す設計がなされており、異なる意見は物語理解の一助となります。

 

終章の評価と物語の影響

最終的には、物語の終わり方に関しては読者それぞれに評価が分かれますが、異なる視点からの意見が物語の理解を深めることに繋がります。

物語を通じて、誤解や予想外の展開が新たな洞察を促すこともあり得るため、終章の評価は個々の解釈に委ねられています。

とはいえ、本当に意味不明で難しい作品であるならば、途中離脱して最終話・最終回まで読了しないですよね?

そういう意味では、最終回が意味不明である、という意見は「最後まで読むくらい面白かった」という裏付けの一面もあります。

アニメ版では原作の最終回がどのように描かれ表現されるのか楽しみです。

 

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