光るが死んだ夏は面白い？評価の理由を分析

光が死んだ夏の面白い要素とは

ホラーとサスペンスが絡み合うワクワクする展開

最初に挙げられるおもしろ要素は、ホラーとサスペンスが巧みに組み合わさった物語構成です。

物語冒頭で明かされるヒカルの正体や、彼が人間ではないナニカである事実。
以下のような謎が物語を彩ります：

• ヒカルの正体は何なのか？
• 町で起こる不審死や不穏な出来事の原因はヒカルなのか？
• 山に潜む別のナニカの正体とは？

ホラーの要素に加え、謎を解き明かしていくようなサスペンス的な展開が、この作品の魅力です。
ホラーやサスペンス好きな読者にとっては、考察が捗るワクワク感がたまりません。

友情を超えたBLを連想させる歪んだ関係性

次に挙げられるのは、ヒカルとよしきの関係性です。
人間ではないヒカルと親友であるよしきの間には、友情を超えた特別な感情が描かれています。

ヒカルのよしきへの執着や、よしきの生前の光への感情は、友情を超えた恋愛感情にも似た描写があります。
そのため、BLを好む読者にとっては、2人の関係性が特に魅力的に映るでしょう。

一方で、BLが苦手な方でも楽しめるよう工夫されています。
ヒカルのよしきへの執着は、常軌を逸しており、単なる恋愛感情ではありません。
2人の関係性は歪で複雑なもので、町の人々を巻き込む不可解な出来事とも関係している様子が描かれています。
友情でも恋愛でもない独特な関係性が、物語の展開を左右し、読者を引き込むポイントです。

昭和的なレトロな雰囲気が趣深い

物語全体に流れるレトロな雰囲気も、この作品のおもしろ要素の一つです。

作中には、駄菓子屋や古い町並みなど、どこか懐かしさを感じる風景が登場します。
時代設定は現代ですが、田舎を舞台にしているため、大人の服装や町並みに昭和的な要素が色濃く残っています。

また、細かな描写や音の表現が、昭和の田舎の夏を連想させる独特の湿っぽさを演出。
単なるホラー・サスペンスにとどまらない、この趣深さが作品の魅力をさらに引き立てています。

三重県の方言が独特で新鮮

最後に注目したいのは、登場人物たちが話す三重県の方言です。

登場人物たちは「見やんといて」や「あかんに」といった、関西弁に似た方言を話します。
しかし、自転車を「ケッタ」と呼ぶなど、中部地方特有のニュアンスがあり、これが三重弁であることが分かります。

普段あまり耳にしない方言が作品の雰囲気を一層引き立て、読者にとって新鮮な感覚を与えています。
ドラマCD制作時には、三重弁の監修も行われたほどのこだわりが感じられるポイントです。

まとめ

【光が死んだ夏】は、ホラーとサスペンス、友情を超えた特別な関係性、レトロな雰囲気、そして独特な三重弁と、さまざまな魅力が詰まった作品です。
読者の心をつかむ多彩な要素が詰まっており、間違いなく楽しめる漫画といえるでしょう。