【君たちはどう生きるか】わらわらの正体は?異世界についても徹底考察
『君たちはどう生きるか』わらわらの正体は?
作中に登場する「わらわら」は、ファンの間でも「かわいい」と話題になった存在ですが、その正体については明確に説明されていません。
ここでは「わらわら」の正体を複数の解釈で考察します。
1.人間になるための魂
「わらわら」は、言葉を発せないけれど意思は通じているような描写があり、やがて「上の世界」へ飛翔していきます。
この表現から、これらは世界に誕生する前の「魂」であり、人間に生まれ変わる手前の存在ではないかと考えられます。
2.餓死した子供の魂
キリコが「お腹がいっぱいになってよかった」と泣いている表現から、わらわらは我々の世界で食料不足で失命した子供の魂ではないかと考察することができます。
戦時中の食料の不足や餓死の記憶を要約した言葉だと取れます。
3.ペリカンに食べられる存在
異世界では、わらわらがペリカンに食べられるシーンもありました。
食べるものがなくなった結果として、わらわらを食べるしかなくなったことが考えられ、その先には閉鎖的な世界での「生」の難しさを示しているとも取れます。
異世界(地獄)の構造を考察
1.塔が入口
真人の家の庭の塔から異世界へと繋がっており、大叔父はここから向こうの世界に行ったと描かれています。
旧世界への移動には、その人のターンポイントとしての価値観が関わっているのではとも考えられます。
2.亡霊は上に行けない
わらわらが上の世界に行ける存在であるのに対し、上れない人形の亡霊も登場します。
これらの亡霊は、生前の怪我や罪を原因に、返れないことを示しているようにも描かれていました。
まとめ
「わらわら」は、「人間になれる前の魂」であり、現実世界に生まれ変わる存在として描かれたものです。
一方、異世界は「地獄」とも可能な場所として描かれ、戦争や死生、生まれ変わりといった記述の伝えるシンボリックな意味が尊重されている。
ジブリらしいビジュアル表現の中に、記憶と魂の幻想をかけ合わせたものとして、「わらわら」は痛みや希望を語る豊かな存在でした。
コメント