『鬼滅の刃』の鎹鴉(かすがいからす)は鬼殺隊にとってなくてはならない存在です。柱・隊士1人につき一羽のカラスが担当しますが、我妻善逸だけ鎹鴉はカラスではなくスズメのチュン太郎になっています。
「なぜ善逸だけ鎹が鴉でなく雀なの?」「その背後に何か意味があるの?」といった疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか?
我妻善逸は怖がりながらも、時には突然の覚醒で見せる圧倒的な強さが魅力のキャラで、そのコントラストがクセになるというファンも少なくありません。
なぜ彼の鎹が雀なのか、この記事でまとめ考察・解説しています。
善逸の鎹(かすがい)が雀である理由とは?
炭治郎やカナヲのように、多くの鬼殺隊員が鴉を連れていますが、善逸だけがなぜか雀を連れています。
このユニークな選択にはいくつかの理由があるようです。以下で詳しく解説します。
1. 雀の名前と性別が関係!善逸の女性好きな性格との相性
善逸は誰もが知る女性好き。彼のパートナーである雀、通称「チュン太郎」は、実は雄です。
しかし、その世話を焼く性格はまるで気配りのできる女性のよう。面白いことに、炭治郎にはチュン太郎が何を言っているか理解できるそうです。
善逸「結婚してくれ!結婚してくれ!」
炭治郎「善逸は仕事をしたがらないし、女の子にちょっかいを出すし…困ってるって言ってるよ」
善逸「えっ、マジで!? お前、鳥の言葉がわかるのか!?」
炭治郎「うん」【出典:鬼滅の刃3巻20話より】
鎹鴉にはさまざまな性格・タイプがいますが、見た目や鳴き声などカラスは少し怖さを感じる鳥でもあります。
怖がりの善逸にとって、毎日つきまとっても怖くない、スズメのチュン太郎は良き相棒となり得えます。
さらに、チュン太郎のまるでダメな子を励まし諭すような母親みたいな性格は、善逸にとって相性の良い鎹鴉的な存在なのかと思います。
雀の鳥言葉「親孝行」と善逸の背景
鳥にも花言葉のように意味があり、雀の鳥言葉は「親孝行」です。善逸にとって重要な人物は、彼を育てた「じいちゃん」です。
彼は実質的な親のような存在で、善逸はじいちゃんに恩返しをしたいと考えています。
善逸「じいちゃんには感謝している。彼に成長した姿を見せたいんだ」
【出典:鬼滅の刃4巻34話より】
善逸と雀の共通点:「見た目の劣り」と内面の強さ
雀は他の鳥に比べて尻尾が短く、一見劣っているように見えます。
これは善逸自身の状況と似ています。善逸は他の鬼殺隊員と比べて技が一つしかないため、表面的には劣っているように見えますが、必要な時にはその一技で大きな力を発揮します。
善逸のこれらの特性と、彼の伴侶である雀の特性は、彼のユニークな魅力の一部としてファンに愛されています。
善逸の雀の本当の名前は「うこぎ」
善逸には親しみを込めて「チュン太郎」と呼ばれている雀がいますが、実際の名前は異なります。
その真の名前はアニメ「鬼滅の刃」の中で明かされました。
アニメ『鬼滅の刃』第15話での公開
「大正コソコソ噂話!」のコーナーで、雀の本名が「うこぎ」として紹介されました。
名前の由来は、春に採れる山菜「うこぎ」から来ています。この山菜を使った「うこぎご飯」は、独特の香りとほろ苦さで知られており、非常に美味しいとされています。
うこぎはこの食べ物を非常に愛しており、そのことが名前の由来になったのです。
善逸による愛称「チュン太郎」
しかし、善逸は雀の言葉を理解できないため、本名の「うこぎ」ではなく、「チュン太郎」と呼んでいます。
彼には豆を主食として与えているため、うこぎが大好物のうこぎご飯を食べる機会は少ないようです。
チュン太郎が鎹雀として伝令役になった理由
実は、うこぎも過去に鬼によって家族を失っています。
自らは戦闘力がないものの、何らかの形で鬼殺隊に貢献したいという強い願いから伝令役を志願しました。
うこぎはその愛らしい外見から、鬼殺隊の鴉たちにも非常に可愛がられているとのことです。彼らにとって、うこぎは魅力的な存在であるようです。
まとめ考察
「鬼滅の刃」の物語内で、善逸の相棒として登場する雀チュン太郎こと「うこぎ」のキャラクター設定は、ただのサブキャラクターに留まらない深い意味を含んでいることが推察されます。
作者は「うこぎ」というキャラクターを通じて、表面的な強さだけが全てではないというメッセージを伝えようとしているのかもしれません。うこぎは戦闘能力がなくても、伝令役として大切な役割を果たしており、小さな存在でも大きな価値を持つことを示しています。
また、うこぎの名前の由来が「うこぎご飯」から来ているという点は、彼の人物像や性格に対する愛着や親しみを深めるためのエピソードともとれます。善逸がうこぎを「チュン太郎」と呼ぶことからは、親しい間柄であることや、彼らの関係性に温かみがあることが伺えます。これは、人と人とのつながりの重要性や、愛称一つに込められた深い絆を感じさせるエピソードとして、視聴者に感情移入を促す狙いがあると考えられます。
善逸が豆ばかりを与えてしまうという部分には、彼の不器用さや愛情表現の仕方に対するユーモアが含まれているように思います。これは、完璧でない人間の愛情表現に対する一種の肯定ともとれるでしょう。全てが完璧なヒーローではなく、弱さや欠点を持つキャラクターの方が、視聴者にとって共感しやすいという作者の考えが表れていると言えます。
最終的に、うこぎのキャラクターを通して、作者は「鬼滅の刃」の世界における多様性や各キャラクターの個性の重要性を強調していると言えるでしょう。小さな雀であっても重要な役割を持つことから、どんな存在も価値があるという普遍的なメッセージを伝えています。
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