「逃げ上手の若君」のキャラクター、吹雪は北条時行の配下として知られていますが、彼の真の正体とは何なのでしょうか?
また、物語の進行に伴い、吹雪が北条時行に対して裏切りを行う展開になりますが、その背後にある動機も非常に興味深いです。なぜ彼はそのような選択をしたのか、その理由に迫りたいと思います。
この記事では、吹雪の正体と、彼がどのようにして裏切りに至ったのかを詳しく解説していきます。
「逃げ上手の若君」吹雪の正体と謎多き背景
出身と教育の秘密
物語中、吹雪の出自が明らかになり、彼は足利方の下級武士の家系から来ています。
特に注目すべきは、彼が足利学校で教育を受けたことです。
この学校はもともと朝廷が設立した教育機関でしたが、時代が変わり武士が台頭すると、朝廷の力が衰え、学校も荒廃しました。
その後、上杉家がこの学校を引き継ぎ、戦士の訓練施設として再建しました。表向きは足利家への忠誠を誓う武士を育成する場でしたが、裏では人造武士を作り出す実験場と化していたのです。
足利直冬との関連性
吹雪は初期に「足利直冬ではないか」という噂がありました。
直冬は足利尊氏の落胤とされ、その後足利直義によって養子に迎えられました。
観応の擾乱では、直義と尊氏の間で立場が何度も変わりました。
吹雪自身もその名が冬を意味することから、直冬の幼名との関連が指摘されていました。
正体は高師冬
しかし、物語が進むにつれ、高師冬であることが判明します。
高師冬は高師直の養子とされ、北条時行の軍と戦うも命を落としました。
吹雪の衝撃的な過去
吹雪には実は暗い過去があります。
妹・父親の命を奪った真実
吹雪は自身の父親である彦部某を殺害しています。
吹雪の家族は高師直の一族に属しており、父親は吹雪を厳しく育て上げることで、家族の地位を向上させようとしていました。
この過程で、吹雪に対する訓練は事実上の虐待となりました。
吹雪には妹がいますが、父親は吹雪の生まれ持った能力を覚醒させるため、まずは妹を3日も雪の積もる野外に放置します。
その後に吹雪を妹と同じ場所に放置します。吹雪と妹を簡単に遭難から脱することができない場所に置き去ることで吹雪を覚醒させるのが目的でした。
吹雪も妹も父親の残酷な真意を知りながら、運命に抗うことはできませんでした。
妹は兄・吹雪が生きながらえてほしいため「自分が亡くなったら死体を好きにしていい」と言い残し亡くなり、吹雪は妹を自らの血肉にすることで生き延び帰還します。
彼はこのことに耐えかねて父親を殺害しました。
新たな主君との出会い
家族を離れた吹雪は自分の能力を正しく評価し、活かしてくれる場所を求めて旅に出ます。
この旅の中で彼は北条時行に出会い、新たな主君として仕えることを決意します。
北条時行との出会いは、吹雪にとって新たな人生の始まりを意味しており、彼の過去を乗り越え、未来を築く大きな転機となりました。
吹雪の裏切りと寝返りの展開
足利尊氏暗殺計画の失敗
吹雪と北条時行は、足利尊氏の暗殺を試みますが、計画は失敗に終わります。
この作戦は、風間玄蕃が楠木正成に変装して尊氏と高師直を引き離すことで、孤立した尊氏を始末するというものでした。
しかし、計画が狂い、鎌倉幕府を滅ぼした理由を無邪気に問う尊氏に対し、北条時行は激怒し、尊氏に挑むも彼の圧倒的な存在感に抑え込まれます。
足利尊氏の神力と高師冬への変身
その後の戦いで、吹雪は足利尊氏の神力を浴びてしまい、一時は北条時行に助けられますが、この出来事が彼の運命を大きく変えることになります。
中先代の乱の最中、足利尊氏との直接対決で再び神力を浴びた吹雪は、足利尊氏の配下として彼に従うことを余儀なくされます。
最終的には高師直の計略により、高師冬として新たな身分を与えられます。
北条時行との対峙
変わり果てた吹雪、すなわち高師冬は、第146話で北条時行たちの前に立ちはだかります。
かつての違和感はすでに消え、足利尊氏の神力による野心が彼を支配しています。
彼はもはや以前の吹雪ではなく、高師冬として北条時行たちを排除し、さらなる地位を確立することに執着します。
このようにして、かつての仲間たちは命を狙い合う運命に陥りました。
吹雪の最後は死亡
最後は時行に討たれ、吹雪は死亡します。
直前、時行ら仲間と言葉を交わすことができ、死の間際は正気を取り戻すことができました。
時行は吹雪に教わったことを胸に動き出します。
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