YouTube等の広告で「夫はまだ体の傷を知らない」というナレーションから始まる漫画CMが話題となっていますが、漫画の作品タイトルは「大正身代わり婚～金平糖は甘くほどけて～」といいます。
この漫画のあらすじや作品の魅力を紹介します。
『大正身代わり婚』あらすじ
『大正時代、身代わり新婦の恋』では、家族に仕えるよりも低く見られていた雪子が、妾の子として育ちます。
彼女は姉の代わりに結婚することになり、その結果、夫から深い愛情を受け、真の幸福を見つける話です。
『大正身代わり婚』あらすじを分かりやすく解説
雪の日の嫁入りと父の策略
物語の主役である雪子は、実の姉が拒否した結婚相手として、5歳年上の平塚紡績の若社長・嵩也のもとへと嫁ぎます。
雪子は妾の子として生まれ、母の死後に藤島家に引き取られましたが、この家では常に冷たく扱われていました。姉・毬江は嵩也の求婚を断り、より高い身分の男性との結婚を望んでいます。
雪子の父は藤島家の名誉を高めるため、雪子を嵩也に嫁がせる計画を進め、無事に結婚式を終えた雪子は嵩也に自由に振る舞うようにと言われます。
新たな生活の中で、雪子は持ち前の勤勉さで食事の支度など家事に励み始めます。
思い出のカステイラ
嵩也の母・静が体調を崩している中、雪子は手作りのお菓子で静の心を和らげ始めます。
静は雪子の優しさに心を開き、二人で平塚家を支えてほしいと願い出ます。しかし、静の健康は依然として不安定です。心配した雪子は遅く帰宅する嵩也に、お菓子作りのための道具を購入してくれるように頼みます。
翌日、新しい道具でカステイラを作った雪子はそれを静に届けると、静は亡き夫との思い出が詰まったカステイラを食べて涙します。彼女は雪子に嵩也の支えとなるよう懇願します。
雪子は嵩也のことをもっと知ろうと努めますが、嵩也の忙しさからなかなか会話が持てません。一方で、毬江は千波からの食事の誘いを受け、彼の妻になることを確信しています。
百貨店デートと毬江の来訪
嵩也にデートに誘われた雪子は、精一杯オシャレをして百貨店へ出かけ、「何でも買って良い」との申し出を受けますが、彼女が選んだのはシンプルな金平糖でした。
一方、デートを楽しむ二人の姿を見た毬江は、雪子が自分よりも幸せに見えるのが許せず、怒りを感じています。
春が来て、嵩也は雪子を以前母と訪れたことのある洋食店に連れて行きます。そこで母の思い出に浸る雪子は感極まり涙しますが、両家の名誉のために自身の出自を隠し続けることを決意します。
食事後、嵩也から結婚指輪を受け取り笑顔を見せる雪子のもとに、突如として毬江が平塚家に押し掛けます。
静の死と旦那様の秘密
毬江による侮辱に反論したことで体調を崩した静。雪子が倒れたと聞き、嵩也が話をしていたその間に静は苦しんでいました。
静は、毬江が雪子の出自を侮辱していたと嵩也に告げ、それでも自分は雪子を信じると強調します。この告白以降、静の体調はさらに悪化します。
ある嵐の夜、静は嵩也の腕の中でこの世を去ります。その後、静の葬儀が終わると、嵩也は自分が「本物の平塚嵩也ではない」という衝撃の事実を雪子に明かします。
こうして物語は怒涛の展開を迎えていきます。
『大正身代わり婚』の登場人物紹介
藤島雪子
藤島汽船の次女で、平塚嵩也の妻。
妾の子として生まれた雪子は家族から低く見られてきましたが、姉の代わりに平塚家へ嫁ぎ、得意のお菓子作りを通じて徐々に嵩也と心を通わせています。
雪子が作る美味しいお菓子は物語の見どころの一つです。
平塚嵩也
平塚紡績の若社長で、雪子の夫。仕事に忙しい嵩也は初め、契約結婚としての雪子に興味を持っていませんでしたが、雪子の優しさに次第に惹かれていきます。
彼の出生には、彼と父だけが知る重大な秘密が隠されています。
藤島毬江
藤島汽船の長女で雪子の姉。母親から正妻として扱われる毬江は、妾の子である雪子をいじめる性悪です。
藤島汽船の業績不振にも関わらず、浪費を続けるお馬鹿な女性です。
平塚静
嵩也の母。病弱で食事も喉を通らないほど弱っていましたが、雪子の手作りお菓子で元気を取り戻します。
静は心優しい雪子を気に入り、実の娘のように接していました。
毬江が雪子を侮辱するのに激怒し、何があっても雪子を信じる優しい女性です。
雪子の父
藤島家の家長で、藤島汽船を営む男。毬江ばかりを溺愛し、雪子を冷遇しています。
業績が悪化しているために、雪子を使って平塚紡績からの支援金を得るなど、政略の道具として扱っている冷酷な父親です。
『大正身代わり婚』の魅力と見どころ
健気で純真な雪子と嵩也の関係
『大正身代わり婚』の魅力の一つは、雪子と嵩也の関係が徐々に深まっていく過程です。物語の初めでは雪子に冷たく接していた嵩也が、彼女の純粋で優しい性格と才能あるお菓子作りに次第に心を開いていきます。
雪子は直情的で心温かい性格が際立っており、彼女が作るお菓子は物語に彩りを加えるだけでなく、嵩也の心の変化を象徴する重要な要素となっています。
彼女のお菓子は、見た目にも美味しそうで、それを通じて嵩也との距離が縮まる様子は見逃せません。
雪子が抱える秘密や彼女の出自についての葛藤も物語の中で重要なポイントですが、嵩也の包容力に期待を寄せ、彼女が最終的に真実を受け入れられる瞬間が来ることを願っています。
二人の関係がどのように発展していくのか、その過程を追うのは非常に心温まる体験です。
性悪女・毬江に待ち受ける天罰に期待が高まる
平塚家の人々が温かい心を持っているのに対し、藤島家は特に毬江が目立つほど問題の多い家族です。毬江は自分が雪子よりも優れていると信じ込んでおり、その過信が滑稽でさえあります。
毬江が千波に振られたときは、彼女の自業自得だと感じる観客も多いでしょう。しかし、彼女はその後も懲りずに嵩也を横取りしようと企み、その結果、嵩也の母・静の健康をさらに悪化させてしまいました。
静の病気が悪化し、結果的に亡くなるという痛ましい事態を招いたことは、毬江の自己中心的な行動の重大な影響を浮き彫りにします。このような行動には、しっかりとした報いが必要です。
物語の中で毬江に待ち受ける天罰は、彼女の行動の自然な帰結として描かれることでしょう。
読者としては、毬江がその過ちを真摯に反省し、成長することを望むかもしれませんが、彼女のこれまでの行動を考えると、厳しい結末が用意されている可能性が高いです。
全体を通して、『大正身代わり婚』は愛と成長の物語であり、雪子と嵩也の絆が深まる様子を描いています。彼女が最終的に幸せを手に入れる様子を見守るのが、この物語の大きな魅力の一つです。
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