「リコリス・リコイル」に登場する治安維持組織「DA」は、警察や公安とは異なる立場でありながら、政府と協力関係にある独立機関です。
このDAに属しているのが「リコリス」と呼ばれる少女たちであり、犯罪の芽を未然に摘むべく、秘密裏に対象を排除する役割を担っています。
作品の中心はこのリコリスを描いた物語となっていますが、実は物語の終盤に登場した「リリベル」という少年のみで構成された組織も存在します。
では、この2つの組織の間にはどのような違いがあり、どのような関係性があるのでしょうか。
本記事では、DAに属するリコリスとリリベルそれぞれについて、その違いと関係性、さらには強さの比較についても詳しく考察していきます。
リコリスとリリベルの違い
リリベルはリコリスの男性版
作中において、リリベルについて尋ねられた千束は「男の子版リコリス」であり「怖い存在」と表現していました。
リコリスが少女のみで構成された組織であることから、少年版が存在するのではないかと予想していた視聴者も多くいたようです。
ただし、リコリスのように高校生の姿で一般社会に溶け込みつつ犯罪を未然に防ぐ任務を行っている様子はなく、リリベルは専用の戦闘服を着用しています。
現時点では、リリベルが具体的にどのような任務を遂行しているのかについての説明はされておらず、その実態は依然として謎に包まれています。
リリベル上層部の方が高圧的な態度(同階級)
物語の終盤では、テロリストである真島やハッカーのロボ太によってリコリスの存在が公になる危機が描かれます。
その際に登場するDA上層部の男性「虎杖」は、リコリスの司令官である楠木に対して厳しい態度を取り、楠木も敬語で応じていました。
このやり取りから、虎杖のほうが上位の立場にあるのではないかという意見が出ています。
また、リコリスの機密が漏れそうになった場面では、虎杖の指示によりリリベルが出動しており、彼がリリベルの指揮官であると推測されています。
一方で、過去にはリリベルがDAを離脱した千束を襲撃し、それを止めさせたのは楠木の意見であったことも示されています。
これは、楠木の発言が虎杖に通じた実績があることを示しており、一方的な上下関係ではないことが分かります。
さらに、ロボ太の調査によれば、明治政府成立前からDAの前身にあたる組織が存在しており、その組織図では「八咫烏」が頂点に位置し、「彼岸花」(リコリスの前身)と「君影草」(リリベルの前身)は同じ階層で並列に存在しています。
このことから、リコリスとリリベルは基本的には同格の組織であり、虎杖と楠木も同じ階級である可能性が高いと考えられます。
リコリスの立場が不安定になっていたことや、虎杖の年齢による威圧感があったことも、上下関係のように見えた要因かもしれません。
使用する銃器の違い
リコリスが任務で使用している銃は「ハンドガン」であり、これは近距離での使用を前提とした片手撃ち用の拳銃です。
その設計上、携帯性に優れており、一般社会に溶け込んだ状態でも扱いやすいという利点があります。
一方、リリベルが所持しているのは「アサルトライフル」です。
これは銃身が長く両手で構える構造であり、近距離から中距離・遠距離まで幅広く対応可能です。
アサルトライフルは火薬量の多い弾薬を使用し、弾速と威力の両面でハンドガンを大きく上回ります。
このように、両者は使用する武器にも明確な違いが見られます。
得意とする戦闘スタイルの違い
リコリスは一般社会に溶け込む必要があるため、高校生風の制服を着用して活動しています。
任務は基本的に単独または少人数で遂行され、対象の排除にはハンドガンを用いた個人技が主となっています。
また、作中ではリコリスの訓練風景も描かれており、その内容は集団戦よりも個々の技術向上を目的としたものが中心でした。
これらの点から、リコリスは個人の技能を重視する体制であると考えられます。
対照的に、リリベルは戦闘服を身に着け、集団で行動することを前提とした組織です。
リコリスを排除するために出動した際にも、明確な隊列を組んで組織的な戦術を展開していました。
このような描写から、リリベルは軍隊的な運用を特徴とする組織であると読み取れます。
リコリスとリリベルの関係
過去に面識があった可能性が示唆されている
リコリスに対する排除命令を受けて出動したリリベルの部隊。
その最前線に現れた千束を見て、リリベルのリーダーと見られる少年は彼女の存在を認識しているような反応を見せました。
千束本人は「会った覚えはない」と軽く流していましたが、少年は彼女を鋭く睨みつけており、単なる偶然では片づけられない雰囲気が漂っていました。
千束はDAから離脱した後も、リリベルによる複数回の襲撃を受けており、その中で直接対峙した経験がある可能性も考えられます。
また、DAに所属していた頃にリリベルと何らかの合同任務にあたっていた可能性も否定できません。
そうした背景が、リリベル側の少年にとって印象に残る存在となった要因かもしれません。
別組織であり協力関係ではない
リコリスとリリベルは共にDAの下部組織ではあるものの、互いに連携して活動している描写はなく、むしろ対立関係に近い印象を受けます。
実際、作中でセカンドリコリスであるたきなは、リリベルの存在を全く知らなかったため、ファーストリコリス以上の階級でなければ情報が開示されないと考えられます。
また、物語の中で両者が共同で任務にあたる描写は一切なく、逆にリリベルが千束を襲撃するなど、明確に敵対的な行動を取っています。
このことからも、リコリスとリリベルは同じDAに属しているものの、協力関係にあるとは言い難く、別個の組織として活動していると見るべきでしょう。
真島が元リリベルである可能性
テロリストとして登場し、千束らリコリスを追い詰める存在となった真島。
彼は初登場時からリコリスに対して「お前らか」と反応しており、さらに「アランチルドレンのリコリスでなければ釣り合わない」と発言しています。
こうした言動から、視聴者の間では「真島はかつてリリベルに所属していたのではないか」という推測が出ています。
もし彼が元リリベルであれば、銃器の扱いに長けている点や、DAの体制に対する反感を持っていることにも納得がいきます。
DAのやり方に疑問を抱き、真実を世に知らしめようとする彼の姿勢は、過去の所属組織に対する強い反発心の表れとも受け取れます。
また、リコリスの存在を知らなかった描写もありましたが、たきながリリベルを知らなかったことと同様に、相互に情報が制限されていた可能性が高いと考えられます。
リリベルにもリコリスの存在を知らない者がいても不思議ではありません。
この考察はあくまで仮説にすぎませんが、真島の背景や動機については今後の展開で新たに明かされることを期待したいところです。
リコリスとリリベルどちらが強い?
個の戦闘力ならリコリス、集団戦ならリリベル
リコリスは、単独もしくは少人数での行動を前提としており、各個人が高い戦闘技術を有しています。
千束のように驚異的な回避能力を持つ者や、たきなのように射撃精度に優れた者など、個々の能力に特化した訓練を積んでいます。
そのため、1対1の戦闘や隠密行動を伴う任務においては、リコリスが優位であると考えられます。
一方で、リリベルは部隊単位での行動を重視しており、複数人で連携しながらの戦闘に長けています。
相手が集団である場合や、戦闘規模が大きくなる場面では、リリベルの方が対応力に優れていると見られます。
複数の標的がいる場合はリリベルが有利
リコリスは基本的に対象を迅速かつ静かに処理する暗殺部隊であり、そのため少人数での任務遂行が主流です。
派手な戦闘は避け、素早く任務を完了させるスタイルが求められます。
対照的に、リリベルは軍隊のような構成を持ち、集団戦を前提とした行動が想定されています。
そのため、標的が多数に及ぶ場合には、戦力を集中させて対応できるリリベルのほうが有利であると判断されます。
総合的にはリリベルが優勢という見方も
リコリスとリリベルのどちらが強いかという議論においては、総合的にリリベルが勝っているという意見も見られます。
両者は戦術や目的が異なるため単純な比較は難しいものの、リリベルが組織的な動きを重視する点や、体格的な面で少年が有利である点を考慮すると、戦力としては上回っていると見ることもできます。
実際、リコリス最強とされる千束でさえ、真島との肉弾戦では吹き飛ばされる場面がありました。
とはいえ、その後に千束は反撃して勝利を収めており、彼女が規格外の戦闘力を持つことは明らかです。
このことから、個々の力においては「千束 > リリベル > 他のリコリス」という力関係が成立する可能性があります。
コメント