『鬼滅の刃』の主要キャラクターの1人である嘴平伊之助(はしびらいのすけ)。
伊之助は好戦的な性格で、他の生き物との力比べが生き甲斐のような人物です。炭治郎と出会った際も、最初に勝負を仕掛けていました。
そんな伊之助は物語のなかで、人間として最も成長しました。伊之助の成長の証、タイミングは涙を流している場面がほとんどです。
この記事では、伊之助が涙を流し、人間として成長しているシーンを詳しく解説していきます。
初期の嘴平伊之助の人間味のなさ
初登場時の課題行動
- 小さな女の子を踏みつける
- 炭治郎の大切なものを守ろうとする無抵抗の善逸に暴行を加える
- 死者の埋葬を理解できない
炭治郎と同い年の16歳でありながら、一般常識に欠けた行動が目立ちました。その理由は、幼少期に山に捨てられ、母猪に育てられた経験にあります。
伊之助の背景
猪に育てられながらも言葉を話すことができたのは、山の麓に住んでいたお爺さんに百人一首を読み聞かせてもらい、人とのコミュニケーションの機会があったからです。
その後、炭治郎や鬼殺隊の仲間たちとの出会いによって、伊之助は多くの感情を知り、人として成長していくことになります。
伊之助が初めて涙する場面・泣くシーン
炎柱・煉獄杏寿郎から強さとは何かを学んだ涙なしでは見れない場面です。
初めての涙の場面
伊之助が初めて涙を流したのは、煉獄が猗窩座との戦いで亡くなり、自分の未熟さに打ちのめされた炭治郎に向けて叫んだシーンでした。
涙の理由と成長
煉獄と猗窩座の戦いを目の当たりにした伊之助は、自分が足手まといだと自覚し、より強くなるための悔しさから涙を流しました。その言葉は炭治郎に向けたものであると同時に、自らにも言い聞かせていたようにも感じられます。
藤の家のお婆さんからの「誇り高く生きる」という言葉が、この場面での伊之助の成長に大きな意味を持ったことが理解されます。
炭治郎が心を折られた時に、伊之助がこの言葉を叫んだことで、彼は人として大きく成長していることを感じさせます。
亡き母の愛を思い出し涙する伊之助
上弦の弐・童磨を倒した後、童磨によって殺された母親を想い、静かに涙したシーンです。
母の愛を思い出す
伊之助は自分が母親に捨てられたと思っていましたが、童磨が実は伊之助を助けるために崖から落としたことを知ります。その後、炭治郎からの言葉をきっかけに、自分が母親に愛されていたことを思い出します。
伊之助のお母さんはきっと伊之助のことを大好きだったと思います。
感情の変化と成長
初めは死や喪失について考えなかった伊之助ですが、大切な人を失う悲しみを知り、涙を流します。普段元気なイメージの強い伊之助が、刀を握らずに静かに「母ちゃん…」と呟くシーンは、心を打つ場面です。
仲間を失った怒りと成長の涙
最終決戦で目の前で多くの仲間を殺され、無惨に向かって叫ぶシーンです。
仲間への認識の変化
出会ったばかりの頃の伊之助は、同じ鬼殺隊の善逸に暴行を働いたり、怪我をしている炭治郎に挑戦したりして、「仲間」としては全く認識していませんでした。
しかし、炭治郎や柱たちと共に戦い、修業を積んだことで鬼殺隊を自分の仲間と認識するようになりました。そして、仲間たちが傷つけられ、死体となった姿を見て怒りを覚えます。
怒りの表現と成長
「数珠のオッサンの足と半々羽織りの腕が千切れた。あっちこっちに転がってる死体は一緒に飯を食った仲間だ。返せよ。足も手も命も全部返せ。それができないなら百万回死んで償え!!」と叫ぶ伊之助の怒りの言葉は、彼の成長と共に示すものです。
柱稽古の食事シーンがこのシーンと結びついていることによって、伊之助の人間としての成長が感じられます。彼は炭治郎や善逸だけでなく、他の隊士も仲間として認識し、大きく成長しています。
炭治郎の鬼化と仲間を思い泣くシーン
無惨を倒した後、鬼にされた炭治郎が襲い掛かってくるシーンです。
仲間への誓いと躊躇
炭治郎と善逸、伊之助は修行中に、「俺たちは仲間だからさ、兄弟みたいなものだからさ。誰かが道を踏み外しそうになったら皆で止めような。どんなに苦しくてもつらくても正しい道を歩こう」と話していました。
伊之助は炭治郎を止めようと思っていましたが、鬼になった炭治郎を斬ることができませんでした。彼は炭治郎がかけがえのない仲間であり、一緒に過ごした様々な時を大切に思っています。
伊之助が心の成長と優しさを知ったことで、炭治郎を斬れなかったのです。もし出会ったばかりの頃の伊之助だったら、躊躇せずに炭治郎を斬っていたでしょう。
その後も炭治郎が禰豆子に襲い掛かった時、伊之助は刀を持たずに炭治郎に戻るように訴えました。
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